日本刀 武具 鑑定書付き 大和守藤原忠行 暴鍛作之

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日本刀 武具 鑑定書付き 大和守藤原忠行 暴鍛作之

本造、庵棟、中心は生で孔は一つ。鑢目は浅い勝手下がり。
大板目が流れて総体に柾目肌となる。肌目に沿って地景が現われ、澄んだ肌となる。
匂出来で直調の弯に横幅の広い箱風の五の目が所々に交じる。匂口深く、よく小沸がつき、金筋、砂流が刃文総体に頻りにかかる。
目くぎ穴:1個
元幅:約27mm
元重:約6.5mm
(素人寸のため、多少の誤差はご容赦ください。)
ハバキ:なし
白鞘:あり

備考
新刀・豊後高田の代表刀工、藤原忠行の刀。反は浅く、寛文・延宝頃の体配で、少し細身のやさしい姿をしています。細身といっても状態は至って健全です。刃文は浅目の箱風の五の目を組み込んだ弯乱。当時の流行を試みたのでしょうか。で、ここまでだと、なんだ豊後刀か~と思ってしまう方は、本刀を見ればちょっと考え方が変わるかもしれません。手に持って体配を見てる限りは、ありふれた寛文新刀ですが、上からの光を当てて地肌を見たとたん、少し戸惑う顔が想像されます・・・地肌です。本刀の見所は地肌に始まって地肌に終ります。
その地肌ですが、大板目に始まってそれが流れて柾目心に流れ、最終的には柾目肌となっていきます。よくある肌目じゃないかと思いきや、その向きが独特というか風変わりなのです。刃先に向って斜目にうねるように流れていきます。鎬地も同じで、総体に棟から刃先へ斜っていきます。この地肌は初めての経眼です。おまけに肌目が立ち綺麗なラインとなって現われ、鮮やかな地景となり刀身全体に展開されます。ここまでくると、刃中の働きも連動して、肌目に沿って金筋・砂流が頻りにかかってくるのは当然の所作かもしれません。この地肌は偶然出来たものでないようです。忠行が自ら「暴鍛作之」と中心に刻ったように、最初から狙った意欲作と見るべきでしょう。
一見、やさしい刀姿に見える本刀ですが、その素顔の本質は強くうねる地金のそれであり、内に秘めた個性が表れた一振と言えます。それにしてもこの「暴鍛作之」という鍛えは、どうやったのか興味が湧いてきます。現代の刀匠に聞けば、それなりに判るかもしれません。「そんなの簡単だよ」とあっさり言われるかもしれませんが、当時の忠行の思いと試みを知りたいものです。

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