井川メンパ 井川で伝統を守った職人・海野想次が製作した「丸型女もち弁当箱 一双」1987年3月購入 未使用長期保管品

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商品情報

駿河国・静岡県の最深部、南アルプス登山の玄関口にあたる静岡市葵区井川地区の伝統工芸品「井川メンパ(曲げ物の弁当箱)」を出品いたします。出品するメンパは、丸型の「女もち」二双(画像1_中央)で、御飯箱とおかず箱からなり、御飯とおかずを別々の箱に詰めて用いることができます。弁当箱は4片の入れ子構造(画像2,5)となっていて、使用しない時や弁当を食べ終わって持ち帰る時には、一つに畳み込む(画像6_左)ことができ、コンパクトになります。 井川は、静岡市の最深部に位置する集落で、公共交通機関を利用すると、JR静岡駅付近よりバス(乗り継ぎ)で三時間余、あるいは、JR金谷駅より、大井川鉄道とトロッコ列車・井川線を乗り継いで、やはり三時間余、今でもアクセスの一番難しい地区といわれています。地区特有の産業は、林業、茶栽培を中心とした農業くらいしかなく、昔は他地区との交流も少なかったので、井川には独特の文化が残されていると言われています。標高も高く、冬季は寒冷なため、林業や農作業をしにくく、副業の一つとして「メンパ」作りも行われていたようです。しかしながら、どう見ても過疎にあえぐという状況のこの地区でも、地区民の減少傾向を止めることができず、必然的にこのような伝統工芸の担い手も、減少してしまいました。この井川地区に残り、最後まで「井川メンパ」の伝統を守り抜いたのが、このメンパの製作者「海野想次」さんです。 私は、1986年に朝日新聞「日曜版」で海野さんの「井川メンパ」にまつわる記事を興味深く読み、早速海野さん宅に注文したいとのをいたしました。対応された海野さんの奥様より、メンパ作りは厳冬期しか行わないので、注文を受けた品は、翌年の春にならなければ出来上がらない、とのお返事をいただきました。さらに、地方発送は行っておらず、当家のメンパを購入する場合には、井川にある海野の工房まで受け取りに来てもらいたい、それでよければ受注するということでした。当時清水市に住んでいた私は、「男もち」とやや小ぶりの「女もち」の二組を注文し、翌春の三月末に完成のをいただいて、井川まで受け取りに行ってきました。井川まで、自家用車で二時間以上もかかる行程でしたが、何とか海野さんの自宅を兼ねた工房にたどり着くことができ、メンパを入手することができました。元気で活発な奥様と、寡黙な職人という感じの「想次」さん、対照的なご夫婦という感じでした。購入した二組のうち、「男もち」(画像1,2,6,8の右側のメンパ)の方は、サラリーマンであった私が、毎日弁当箱として愛用していましたが、「女もち」の方は使用されることなく、食器棚の奥に35年以上も眠ってしまうことになりました。 井川では、「海野想次」さんが亡くなった後、ご子息が工房を受け継がれたそうです。しかしながら、最近そのご子息もお亡くなりになり、井川の海野さんの工房は、休眠

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